商品の企画から始まり、アイテムをお披露目するに至るまで、ものづくりのすべてに携わるクリエイティブ・ディレクターの馬場ふみか。日々奮闘しながらランジェリーと向き合う彼女と、様々な下着のプロフェッショナルをゲストに迎えお届けする対談企画が始動! ランジェリーについて、多方面から考えます。 第1回ではランジェリーセレクトショップ「MOOL」バイヤー/ディレクターの菜月さんをお迎えし、misoraのアイテムを使ったスタイリング提案や、ファッションと下着の関係性をテーマにお届けします。
---最近ノンワイヤーブラの需要がとても高まっていますよね。下着にも“トレンド”があるんだなと思ったのですが、近年の注目はやはりノンワイヤーブラですか?
[菜月]:10年間下着のお仕事をしていますが、世界的にもノンワイヤーのトレンドは広がってきていますよね。コロナの影響も大きいですが、着心地の良さがより重視されたり、ワイヤーブラを着けなくなった人も多いですよね。ノンワイヤーだからといってホールドできないという価値観は無くなったように思います。
[馬場]:確かに、ノンワイヤーブラの進化はすごいですよね。
[菜月]:馬場さんもノンワイヤーブラを着けたりしますか?
[馬場]:着けますよ!それこそお洋服やその日の予定に合わせて選んでいますね。やっぱりノンワイヤーブラのデザインってとても可愛いものが多い。でも自分がつけるとあまり可愛くないなと思ったりもします。
[菜月]:確かに、バストが小さめの人の方が着けやすいかなとは思います。私は基本ノンワイヤーブラの方が合いやすいですが、バストが大きめの方だとノンワイヤーで綺麗に見せられるものは少ないと思います。どうしても面積が広くなってしまうので。
---実際に「MOOL」で取り扱う商品はどのようなアイテムが多いですか?
[菜月]:ほとんどがノンワイヤーブラなんです。その中でもノンパデッド(パッドが入っていないもの)も多いですね。インポートものは、ワイヤーブラでも一枚レースのノンパデッドが多く、一般的と言われるワイヤー/パデッドのブラ(misoraのブラのような仕様)は1割もないくらいです。「ワイヤーブラをつけて、バストはこの位置で街を歩きましょう」というような感覚もありますが、そうである必要もないなと思っています。海外の方のファッションとかを見ると、“下着を着けていなくてもかっこいいな”と思うけれど、それが“かっこいいな”という風潮がないと、その格好で外には出ずらいですよね。日本では周りの目を気にしがちな傾向にあるので、なおさらですね。
[馬場]:人に迷惑をかけない範囲ならそれぞれが好きな格好をしたらいいじゃん!って思っちゃいますよね。
[菜月]:はい。自分のファッションを自分で楽しめればいいのになって。そういった部分がまだ少し不自由だから、下着の多様性が広まっていかないんだろうなって思っていて。もちろんシーン毎に使い分けることは一番重要だと思うのですが、使い分ける選択肢がそもそも少ないんです。モノはあるんだけれど、そういった思考がないというか、、、。
でもだいぶその思考は崩れてきていて、ワイヤブラを着けなきゃいけないという価値観が変わってきたなと思います。それに伴ってアイテムも増えてきたなと。
[馬場]:ノンワイヤーブラの取り扱いが多い中で、なぜmisoraの下着を取り扱ってくださったのか気になります! 近年のトレンドとはまた違ったアイテム展開なので。
[菜月]:今これをやることに意味があるなって感じるアイテムだと思いました。やっぱりピッタリした洋服を着る時って、ワイヤーブラを付けた方が綺麗に見えますよね。こういったアイテムは絶対必要だと思います。胸が小さい人はブラジャーをつけると胸がブラジャーの形になってしまうと言うか…(笑)。それがすごく嫌なので、あまり着けないんですが、misoraの下着はならないですよね。すごくナチュラルに見せてくれるので、それがすごく今っぽいなと思いました。
[馬場]:そうですね、もりもりに見える下着があまり好きじゃなくて。
[菜月]:キャミソール一枚で着られるというのもトレンドだと思うんです。なので「Bra tanktop」は一枚で着られて、ちゃんと支えてくれる、他にはないアイテムだと思います。カップ付きでも、バストが小さい人は見え方が気になったりするんです。平らなところに、ちょこんとカップが乗ってしまうというか。ワイヤー入りだから、バストが小さい人は向かないかなと思ったんですが「むしろこれがいい!」となりました。
[馬場]:カップ付きのアイテムもいっぱいありますが、私は心許ないと感じることがあったので…。私がタンクを一枚で着たい!と思って作りました。いろんな方に好評だと嬉しいですね。
---「MOOL」では、買い付ける下着デザインの特徴などはありますか?
[菜月]:基本的には服を選ぶのと一緒の感覚で、下着もファッションアイテムの一部だと思っています。見せる下着、見せない下着という観点ではセレクトしていなくて、「これって見せていいんですか?」という質問もよくあります。わかり易くコーディネートに取り入れやすいもの、これは中に着て楽しむもの、というくらいの括りでセレクトしています。“最終的にはどれでもスタイリングに組み込めるよね”という感覚です。アウターで隠れていても、シルエットは見えてくるので。見せる下着の一部ですよね。
misoraの下着は透けても“見えてしまっている下着”にはならないし、白いTシャツを着ている時にも、シルエットが美しいです。とてもファッション要素があるなと思いました。さらにショーツもラインが響かないようになっていますよね。
[馬場]:女の子のパンツラインが心配になってしまうことが多くて。正面のシルエットは見るけど、後ろ姿はあまり見ないという方が多いのかなと。
[菜月]:確かに、正面ありきで考えているアイテムも多いですよね。谷間を作ったりだとか、完全に前から見るシルエットになっているのだと思います。横から見たら谷間なんて関係ないんですけどね(笑)。
[馬場]:それこそ、後ろから見たら谷間は関係ないですよね。無理やりアンダーが細い下着を着ける、という良くない風潮もある気がします。“痩せてる方がいい”“アンダーは小さい方がかわいい”というような。
[菜月]:ショーツでもその風潮があります。だから余計に食い込んでしまう。アンダーも意外と関係なくて、アンダーが大きくてもそれで太っているということではないですね。
[馬場]:自分に合ったものを着けるのがいいですね。
---その日の下着を選ぶ時は、やはりシーンに合わせて選ぶことが多いですか?
[菜月]:そうですね。あとはテンションが上がるやつ(笑)。“こんな時には”という下着のチョイスはありますか?
[馬場]:仕事での下着選びは割と限られてきてしまいますが、プライベートでは下着のギャップを楽しんだりしています。ビックシルエットのTシャツに、中はゴージャスなレースの下着を着けたり。
[菜月]:下着と服のギャップ、とても素敵です。それが下着の最大の魅力でもありますよね。
[馬場]:こっそり楽しめるのがいいですよね。
[菜月]:見えない時ほど、脱いだ時に「そんなの着てたの!!!」ってなりますよね。ここぞ!という勝負どきには、気合が入る高額なランジェリーをつけて、気持ちを引き締めたりします。誰かにどう見られるかではなく、自分のテンションを上げるためにランジェリーを選べたらなって思います。
シルエットが綺麗な「Bra tanktop」は一枚でさらりと着こなして。
しっかりとワイヤーが入っているので、ノンワイヤーブラをレイヤードしたりするのもおすすめ。ハイウエストのボクサーパンツなど、他のランジェリーと掛け合わせるのも◎。
どんなアイテムにも合わせやすい「Cloud satin bra」。シースルーアイテムとの組み合わせは取り入れやすく、おすすめなコーディネート。
自分の持つ個性を包み隠すのではなく
誰よりも自分に愛してほしいから
個性が生きるスタイルを提案するブランド
ありのままのあなたらしさを
より美しく輝かせることを大切にします
Creative Director Fumika Baba